昨今、あらゆる物のデジタル化が進んでいます。
日頃取り組んでいる業務の中にも、デジタル化や自動化することにより、快適且つ効率よく遂行できるものがあるかもしれません。
本記事では、自動化に向いている業務についてコンピュータプログラム(以下、プログラムと記述)の特性から考えた視点で具体的に解説します!
プログラムが得意なこと
プログラムが得意なことは、次の2点です。
- データを処理すること
- 同じ動作を繰り返すこと
自動化したい業務がある場合、この2点について考えることがスタートです。
データを処理すること。
データを処理することとは、用意したデータを引っ張り出して様々な条件を付けて処理することです。
この条件を付ける部分は「条件分岐」と呼ばれ、プログラムにおける根幹となります。
データの処理は料理
イメージが湧きにくいと思いますので、具体例を用いて解説します。
家庭で料理をする際は、冷蔵庫から食材を取り出しますね!
冷蔵庫から取り出す食材をデータと見立てます。
取り出した食材は、作るものに応じて処理が変わります。
例えば、カレーを作る場合を考えてみましょう。
冷蔵庫からじゃがいも、人参、玉ねぎ、お肉の4つを取り出します。
このうち、じゃがいも、人参、玉ねぎは皮を剥いてそれぞれ切りますし、お肉はそのまま炒めます。
これをプログラム風に書くと、次のようになります。
if("お肉"){
炒める
}else{
切る
}
さらに、野菜の切り方は種類に応じて異なりますね!これらも条件分岐します。
if ("じゃがいも"){
乱切り
}else if ("人参"){
いちょう切り
}else{
スライス
}
このように、プログラムは取り出したデータを条件に応じて処理することが得意です。
同じ動作を繰り返すこと
同じ動作を繰り返すこととは、指定された条件まで同じ処理をひたすら繰り返すことです。
プログラムにおいて、処理を繰り返すことをループ処理と呼びます。
ループ処理で同じ動作を繰り返す
再び料理を例にイメージを沸かせていきましょう。
たくさんの野菜を同じように切る動作をイメージしてみてください。
例えば、10本の人参をいちょう切りにする時、私達は10本の人参をひたすら同じように切る動作を繰り返します。
これがプログラムにおけるループ処理です。
プログラム風に書いてみましょう。
10.times do
人参をいちょう切りにする
end
このように記述することで、人参を10回いちょう切りにすることができます。
自分の業務を自動化できるか考えてみよう
ここまでで、プログラムで実施できることを確認しました。
ここからは、業務を自動化できるか考えてみましょう。
ポイントは前述の2点です。
- データを処理すること
- 同じ動作を繰り返すこと
例えば、表計算ソフトで保存された従業員の1ヶ月分のスケジュールをカレンダーに登録する場面を考えてみます。
この時、ポイントは次の通りです。
データを処理すること:表計算ソフトから従業員別のスケジュールを取り出す
同じ動作を繰り返す:取り出したデータを1ヶ月分カレンダーに登録する
このように考えることで、自動化のイメージが湧きます。
自動化する方が効率良いか見定める
ここまで考えられたら、工数を見積もります。
仮に、以下の工数が掛かるとします。
・1ヶ月分のスケジュールを手動でカレンダー登録する時間:20分
・自動登録プログラムの開発:24時間
従業員数が10人の場合
10人 x 20分 = 200分(約3時間33分)
手動でカレンダー登録する工数:1ヶ月あたり3時間33分、1年で39.6時間
この場合、同じプログラムを8ヶ月以上使うことで、初めて自動化の恩恵を受けることができます。
スケジュール表を8ヶ月近く使うことが見込まれる場合は自動化する方が良いものの、半年程度の使用を想定する場合は自動化しなくても問題ないと考えられます。
従業員数が100人の場合
では、従業員数が100人の場合を考えてみましょう。
100人 x 20 分 = 2,000分(約33.3時間)
手動でカレンダー登録する工数:1ヶ月あたり33.3時間、1年で399.6時間
この場合は、同じプログラムを1ヶ月で自動化の恩恵を受けられます。
少々時間を掛けてでも自動化するメリットが大きいと考えられるため、自動化した方が良いと考えられます。
自動化できるか考え、自動化すべきか見定める
業務を自動化で効率化する際には、次の2点に焦点を当てて考えることがお勧めです。
- データを処理すること
- 同じ動作を繰り返すこと
そして、自動化する場合と手動の場合で工数を見積り、本当に自動化すべきかどうかを見定めます。
このようにすることで、無駄な時間の発生を最小限に抑えることが可能です。
皆さんの業務効率化のお役に立てれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました!